聖杯戦争。奇蹟を叶える『遺物』を巡る生存競争。意志と能力を秤にかけた、七人の魔術師と七騎の英霊による、数十年に一度の大儀式。- Fate
冬木市を襲った大災害によって両親を失った主人公・衛宮士郎は“魔法使い”を名乗る人物・衛宮切嗣に引き取られた。魔術という神秘との触れ合い。憧れであった養父切嗣の死。炎の中、危険を顧みずに助けてくれた衛宮切嗣に『正義の味方』を見た少年は、それを支えに半人前の魔術師として成長した。 冬木市を襲った大災害からはや十年。かつて無力だった少年の是非を問うように、異変は冬木市を侵食していく。連続する集団昏睡事故、猟奇犯罪。活気を失っていく夜の街。その渦中がなんであるのか知らないまま、運命の夜は訪れた。突然の凶刃。穿たれる心臓。二度目の死。己の無力を噛みしめる少年の手を、鮮やかな剣戟が握り返す。サーヴァント・ランサーを一撃のもとに押し返す剣の火花。「———問おう。貴方が私のマスターか」少年の前には一人の少女。銀の甲冑に身を包んだ剣の騎士、セイバーの姿があった。幾つかの偶然と幾つかの戦いの末、衛宮士郎は自身が聖杯戦争を担うマスターである事を受け入れた。聖杯に選ばれた魔術師はマスターと呼ばれ、マスターに喚ばれた使い魔はサーヴァントと呼ばれる。彼が契約したサーヴァントはセイバー。剣の英霊、他を圧倒する最優のサーヴァント。騎士 "セイバー"槍兵 "ランサー"弓兵 "アーチャー"騎兵 "ライダー"魔術師 "キャスター"暗殺者 "アサシン"狂戦士 "バーサーカー"だが、敵はいずれ劣らぬ歴戦の英傑、魔人たち。何の知識もないままマスターとなった衛宮士郎。未熟な魔術師をマスターとしたセイバー。敵は六組。勝ち残る術はあまりにも細く、遠い。